鬼太郎感想 15話「ずんべら霊形手術」
こんにちは、はりめっこです。
お待ちかねのずんべら回でしたね~。
Twitterでもかなり話題になったみたいですね!
(以下、根幹に関わる盛大なネタバレあるので、未視聴の場合は読まないほうがいいです)
房野きららちゃんという容姿にコンプレックスのある少女が、妖怪ずんべらによる霊形手術で美少女の顔を手に入れる・・・という話でしたが、
このきららちゃんの容姿イジリが超リアル。
かわいい靴下を履けば「ぶすのくせに」、
男子にはニヤニヤ嘲笑され、
そのへんの小学生にあだ名をつけられる。
ひどい扱いです。
「本人の気にしすぎ」というレベルではなく、生活に実害のある描写を入れたのはさすがだな、と思います。
本人の気の持ちよう・・・とは言えないですからね。こいつらひでーな。
で、彼女はずんべらの誘いに乗って、美少女になるわけですが・・・
まず、このずんべらが良い味を出してますね~。
「美を求めて水銀を飲んで死んだ女」という設定です。
そして、自分と同じように美に狂う人間を見るため、霊形手術を行う、と。
かっこよくないですか?
すごく詩的というか、崇高な感じすらしません?(輪入道とかに比べるとネ!)
これが「美人に水銀を飲ませまくる」だったりしたら、
途端にチープな印象になっちゃうけど。
鬼太郎も、ずんべらにはいまいち注意しづらい感じ。
人間を騙してるわけじゃないし、むしろ望みをかなえているし。
いいですね~。
各キャラの、顔を変えたきららちゃんへの対応もなかなか見どころでした。
鬼太郎は「死人の顔を張り付けてると、何が起こるかわからないよ」と、妖怪の術を人間が使うことのみ危惧して、きららちゃんの顔を戻そうとする。
ねこ娘はそれより一歩進んで「自分の顔で思い切り笑えるほうがいいと思うけど」と窘めている。顔を気にする女心、ねこ娘は共感できますからね。
まなちゃんは、死人の顔をはりつけてしまったきららが傷ついていると思い、犬のフン踏んだという謎のカミングアウト。キングオブ雑フォロー。
それぞれのかける言葉の違い、キャラクターがよく反映されてて秀逸だったと思います。
で、すったもんだあり、きららちゃんが追いかけていたゆうすけ君(身も心もイケメン)がきららの内面を見ていてくれたことがわかり、ハッピーエンド・・・かと思いきや、
衝撃のラスト。
Twitter民も騒然となりました。
※以下盛大なネタバレ
結局顔変えたんかい!!!
しかもはちゃめちゃに売れっ子女優!
(ゆうすけ君はおそらく売れない役者なんで、対比の意味も込めてるのかな)
いやー、すごい。すごい女ですよ、きららちゃんは。
ゆうすけ君からの評価や愛ではなく、
自分で自分のことを誇れる自分になれるかどうか。
それが、きららにとって大事なことだったのかな。
むしろ現代風のハッピーエンドなのかな、と思います。
しかし忘れてはいけないのが、これは『ゲゲゲの鬼太郎』という怪奇譚だということ。
私は最後のあの顔は、整形手術ではなく霊形手術によるものだと思っています。
この話のポイントは、「死人の顔を張り付ける」ところだと思うんですよね。
人間として思いっきりアウトな所業。
死人の髪を盗んだ老婆(BY羅生門)がかわいく見えるレベル。
「死人の顔を使ってまで美を求める女」をえがいた話なのです。
鬼太郎たちも上記のとおり、きららが顔を変えること自体を咎めたりしてないんですよ。ただの整形ならなんの問題もないんですよね。
となると、やっぱり最後の顔は霊形手術なのかな~、と思う。
きららちゃんには、それほどの覚悟があったと思いたい。
業が深く、したたかで、自分の未来を切り開く力のある、素敵な女性ではないでしょうか。
最後に、どうしても言いたい!きららちゃんのママについて。
ママが登場するシーンだけは、やっぱりちょっと悲しいですね~。
めちゃくちゃ人の好さそうなお母さん。
ちょっと良いおうちに住んでてさー、かわいい服やかわいい部屋を娘に与えて。
(きららちゃんの趣味だろうけど、中1だし親が購入資金を出してるはず)
きららちゃん、大事にされたお嬢さんなんだろうなー・・・と思うと、ちょっとお母さんが不憫ですね、「あんたのせい!」って言われて・・・。
これからはきらママとして娘の芸能活動を支えてあげてください。
はりめっこ